ジャンジャンセン

繊細な線、
ふるえているような線
ひたむきに生きる人々の
姿をやさしい色使いで
描いています、

貧しい人々が
生きてゆくとき
ふっと疲れてしまったのか

人生に立ち止まって
しまったのか
振り向いたときに
見せるまなざしの
なかにある哀しみを
見る者に
感じさせてくれます。

後ろ向きのとがった肩に
力はもどってはこず、
うずくまりながら
椅子にもたれて
しばしのまどろみの
なかに、つかの間の
やすらぎを得る

そんな人々の姿を
ジャンセンは暖かく
みつめています。

踊り疲れてやすんでいる
バレリーナたちも
ジャンセンのモデルになりました

激しい練習につかの間の
休息のひとときを
ジャンセンのデッサンは
うまく捉えて
いますね、

優しい色使い
静かな画面からは
彼女たちの吐息が
聞こえてくるようです

はじめてジャンセンを
みたのは小さな画廊でした

その時、ああこんなに
哀しみに満ちた絵が
あるんだということに
深く感動しました。

そして彼らの瞳に
どのような場合でも
生きてゆかなくては
ならない、人生の
有り様を
みたのでした








トップ   戻る